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第16回 問題解決の考え方と実践手順


2024年05月17日

投稿者:松永 良一

問題解決をするためには、囲碁や将棋と同じように定石というものがある。より的を射た解決の対策を打つためには、この定石を知っておくことが必要です。

1.問題とは何か「問題の定義」

(1)問題とは「あるべき姿と現状との差異」をいう。
(2)問題意識は、組織によって、人によってあるいはその人の立場によって異なります。

■ 問題とは
あるべき姿(基準:標準)と現状との差異(ギャップ)

■ 問題意識の違いとは

同じ現象を見ても
A:「うまくいっている。問題はない」
B:「ルール通りやっていない。もっとよいやり方があるはず。今後通用しなくなるぞ!」

ある島に靴を売ろうとしたセールスマンの有名な話
C:「この島の人は靴を履く習慣がないので、靴は一切売れない」と報告。
D:「この島には靴を履く習慣がないので、今後一番手で靴を売り込むチャンスだ」と報告。

■ 問題解決とは、問題(悪さ・不具合・あるべき姿と現状との差異)の事実をつかみ、その原因を追究・対策・改善し、なおかつ再発防止の対策をとることです。

2.問題の分類と認識

(1)問題には ①問題解決型(発生型、対処型ともいう)②課題達成型(設定型)③将来型の、3タイプがあります。

① 問題解決型問題とは(発生している問題への対処)
・現在まさに発生している顕在化された問題で、すぐに事態に対し応急的、恒久的対策が必要。
・「あるべき姿と現状に差異が発生」していることが認識されている問題。

② 課題達成型問題とは(あるべき姿=設定型問題への対処)
・現在の基準からは問題は発生していないが、高い基準を設定することで認識される問題。
・設定した目的・目標の妥当性、実現可能性、リスクへの対処法等の明確化が必要です。

③ 将来型問題とは(いずれ発生する問題への対処)
・現在は問題とはなっていないが、近い将来問題となることが予測される問題。
・なりゆき予測と影響要因予測を実施し、その差異に対策を講じることが必要です。

■ 問題の定義
問題が見つかったら、これを定義していきます。
「何が」「どのように」問題なのかを明確にする「問題の明確化」が重要です。
これをあいまいな認識で進めていくことは解決の失敗に、つながることになります。・・「痛み」は問題の解決を早くする。「困れば無限の知恵が出る」

3.問題の評価と解決の優先付け

(1)問題(解決テーマ)は、「重要性」「緊急性」「拡大性」から優先順位をつける必要がある。
制約条件は、自由になる経営資源(ヒト、モノ、カネ、情報、時間)を勘案しての決定が必要となります。

■ 問題の重要性とは(問題の程度)
・その問題がどの程度重要なのか?影響の範囲がどこまで及ぶのか?(課・工場・会社経営)
・組織として与えられた「責任権限」の中で、どう対処し、意思決定していくのか?

■ 問題の緊急性とは(急ぐ必要性)
・問題に対する対処や意思決定にどれだけの時間が残されているのか?
・どれだけ急いで解決する必要があるのか?(日単位、週単位、月単位の余裕があるのか?)

■ 問題の拡大性とは(周囲への悪影響)
・その問題を放置した時、不具合の程度がどの程度悪化するのか?拡大するのか?

4.問題解決の基本手順

 

 

5.目標を設定する

(1)問題をどこまで改善するかを決めるのが目標設定です。目標はできるだけ高く設定する。
(2)目標設定のためには、①評価指標②現状値③目標値④達成期限の4つの要素を明確にすることが必要です。
(3)目標は定量的目標が必須であり、目標を達成した場合、問題がどの程度解決できるのかを評価することが重要です。

表現は具体的にわかりやすく:具体的な「定量目標」(数値目標)とし、「何を」「いつまでに」「どれだけ」といった条件を明らかにする。

6.原因を抽出する:要因分析・真因追求

調査・分析のステップをしっかりできるか否かが、解決のキーポイントとなります。
調査・分析には、「現状調査」「原因調査」「問題分析」を関連付けて実施することが必要です。

(1)現状分析は、QC七つ道具(パレート図・ヒストグラム等)などを活用して把握が必要。すべての要因の洗い出し、「特性要因図」等で原因を追及し、重要と思われる要因は、さらに解析を加えていくことが必要。
(2)問題には、複数の原因がある。できるだけ多くの原因を抽出する。
(3)原因には、その先の原因があり、真の原因(真因)まで深く分析が必要です。

①5回以上のなぜを繰り返す(なぜなぜアプローチ):先入観を持たず事実の積み重ねで追求。
②一つの目的に対して、手段・手法は多数ある → 「目的は何か」の基本や原理原則を守ること。
③相互のつながりを考える:全体との関連を体系的に考え、最後に「これがポイント」を見つける。

(4)原因の整理・分析には、①原因分析ツリー図②特性要因図③なぜなぜアプローチなどの、体系的に整理していく方法があります。

 

 

(5)一人で考えず、できるだけ多くの人(ブレーンストーミング等)で考える。
(6)カードを活用する等、視覚的に整理する(KJ法等)と、まとめやすくなる。

7.原因の影響度、ウエイトを考える

(1)①発生頻度を測定する方法②経験・知識から推定③ヒアリングする方法、等がある。
(2)ウエイトの大きいものから順にウエイトづけしていく。

〔ポイント〕※「原因」と「結果」の関係を外さない。※過去の事例を参照にする。

8.対策(解決策)を立案する

解決には ①現状への復帰 ②新しいモデルの構築 という二つの面があります。
「現状への復帰」では調査・分析のプロセスが最も重要であり、「新しいモデルの構築」では、発想力が求められます。
解決策立案に必要な能力には、 ①「コミュニケーション力」、 ②「ツールの知識と活用力」、③「斬新な発想力」、 ④「過去の豊富な事例の参照力」があげられ、これらの要素をうまく活用して根本的な解決策を立案します。
しかし、過去のやり方に固執しないことも大事。

(1)対策アイデアをできるだけ数多く出す。(ブレーンストーミング、等)柔軟な発想で多くの対策案を考える:複数の視点から考える。
(2)これまでと同じことをやってはいけない。
(3)対策案をグルーピングし、体系的に整理し、最後に具体案とする。
(4)対策案を実施した場合の、問題解決度合を評価し、対策の抜けおちがないか確認する。
(5)“お金を使いすぎると知恵が出ない!”=“改善は、知恵とお金の総和!”
(6)対策案を実施した場合の、新たな問題発生の有無、程度、対策の事前検討を行う。

9.実行計画書(アクションプラン)を作成する

(1)計画書には、5W1H(なぜ,誰が,何を,何処で,いつまで,どの程度まで)を織り込む。役割分担および自分の役割を明確にしておくこと
(2)関係者・関係職制との意見調整・意思統一はしてあるか:影響ある部門との事前調整。
(3)責任者、現状値、目標値を忘れず織り込むこと。
(4)予想される障害の検討:事前に対応策を検討しておく。
(5)実施状況をフォローアップできるようにする。チェック計画もプランの段階で織り込んでおくことが肝要

10.改善実行

(1)やる気が変化を進める → トップの「やり抜こう」の強い意志がみんなを本気にする。
(2)“チーム力の発揮!”・・・「モノづくりは人づくり」 → 問題を一人で背負い込むな → グループ力は天才力に勝る。グループの力を結集すること
(3)“問題解決の風土づくり”・・・全員参画・現場に会話が生まれる活動を。

11.効果の確認・評価:解決力を競争力に!

フォローアップ → 効果の確認・評価 → 修正・再実行 → 歯止め・標準化 → 横展開(ヨコテン)

(1)解決は終点ではない → 結果を見よ、フォローせよ → 微調整の継続が大事。
(2)まず「標準」をつくること → これが現状把握と問題点発見のベースとなる。
(3)よい結果には「歯止め」が必要・・・再発防止、「標準」の作成・見直しを。
(4)改善策は横展開(ヨコテン)を → 多職場の情報でスパイラルアップしていくことが肝要。

12.改善策再立案 → 実行・実践 → フォローアップ・・・スパイラルアップ

見直した計画を現場で実践し、その結果を定期的にフォローアップし、効果を積み上げていく。
チームでの成功体験は、職場の改善意欲を高め、よりよい職場風土醸成の最良の糧となる。




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