経営のヒント

経営改善、経営革新、IT導入、事業承継、起業、補助金など
様々なステージにおける経営に関する情報をお届けします

経営のヒントTOP
経営改善(6) 経営革新(4) 新規創業(2) IT導入(1) 資金繰り(2) 補助金(0) 事業承継(0) 設備投資(0) 販路開拓(1) その他(8


第10回 顧客生涯価値について


2023年09月26日

投稿者:梅﨑 実

顧客生涯価値という言葉を聞いたことがありますか?
この言葉、ビジネスをするうえで非常に重要な言葉なので、もし「聞いたことがない」という方はこの機会にぜひ覚えてください

顧客生涯価値はLife Time Value(LTV)ということもあります。
どういうものかと言うと、「一人のお客さんと出会ってから、そのお客さんが去っていくまでに得られた累計の利益」のこです。

居酒屋さんを例に解説してみましょう。
その居酒屋さんの客単価は5,000円、粗利は3,500円だとしましょう。
一人のお客さんが1回飲みに来てくれると、3,500円儲かるイメージです。

あるお客さんが1回来店してくれると、3,500円の利益が得られます。
再来店してくれると、累計で3,500円×来店回数2回=7,000円の利益になりますね。

そのお客さんが常連になり、毎月1回、5年来店し続けてくれたとしたらどうなるでしょう?
3,500円×12回×5年=210,000円の累計の利益を得ることが出来ます。

一度きりの来店の時と比べると、得られる利益が大幅に増えていますよね。
このようなたくさんの累計利益をもたらしてくれるお客さんが数多くいれば、経営は非常に安定します。

この顧客生涯価値=一人のお客さんから得られる累計の利益は、今とても重視されています。
その背景には、新規集客が難しくなっていることが挙げられます。

地方では、多くの地域で人口が減少しています。
人口の減少は緩やかになるどころか、今後ますます激しくなっていきます。
つまりお客さんの候補がどんどん減っていくわけです。
その分、新しい顧客を獲得する難易度は高くなっています。
また、企業間の競争も激しさを増しています。
数少なくなっている顧客を、多くの企業が奪い合っているわけです。
当然、新規顧客獲得の難易度は上がりますし、顧客を獲得するコストも跳ね上がります。

我々コンサルタント業界の実例をあげてみましょう。
今から10年程前までは、Facebook広告等で見込み客を獲得するコストは1名500円ほど。
500円の広告費をかければ、見込み客が1名獲得できたわけです。

500円で隠した見込み客10名のうち、1人が20,000円の契約してくれたとします。
顧客獲得コストは500円×10名=5,000円。
売上20,000円なら、差引15,000円が儲かるわけですね。

ところがコロナ禍が発生し、多くのコンサルタントがオンライン集客に取り組むようになりました。
当然、Facebook上で様々なコンサルタントが広告を打つようになります。
一方、Facebookは利用者が減り続けています。

縮小が続く市場で競合が増えたことにより、見込み客獲得コストは跳ね上がりました。
具体的には1人の見込み客を獲得するために、3,000円~5,000円もかかるようになったのです。

仮に5,000円で獲得した見込み客10名のうち、1名が契約してくれたとします。
すると顧客獲得コストは5,000円×10名=50,000円。
売上が20,000円なら、差引30,000円のマイナス。
2回売上が上がったとしても、まだ10,000円のマイナス。
3回目の売上で、ようやく10,000円の利益が出ることになります。

つまり、一人のお客さんと出会って1回売上を上げただけでは、跳ね上がった顧客獲得コストを回収することも出来なくなっているわけですね。
これと同じようなことが、様々なビジネスで起きているのです。
なぜなら、多くの業界で人口減少と競争激化の影響を受けているからです。

顧客生涯価値を高める方法はいくつかあります。
例えば客単価をあげる。
上記のコンサルタントの例で言えば、客単価を6万円にすれば、1回の売上でコストを回収できます。
分かりやすいようにちょっと極端な例を出しましたが、客単価を高めれば顧客生涯価値は高まり、コストを回収して利益を出しやすくなります。

もう一つは購買頻度を高めること。
1回20,000円×月1回相談の契約だったものを、1回20,000円×月3回利用してもらうようにすれば、上記と同じく顧客生涯価値を高めることが出来、顧客獲得コストを回収できます。

しかし、客単価も購買頻度も、簡単には高められません。
そこで有効なのが、顧客と良い関係を長く続けることです。

1回の利用で終わるのではなく、リピートしてもらう。
2回の利用で流出させることなく、3回4回5回・・・と利用し続けてもらう。
そうすれば、顧客から得られる累計の利益はどんどん積みあがります。

そして、実は良い関係を長く続けることが、最も取り組みやすいことなのです。

業種によって差はありますが、リピート率を上げる対策をしていない場合、リピート率(再来店率)は概ね30%程度に落ち着くことが多いようです。
ところが、顧客とのコミュニケーションを充実させたり、再来店したくなる工夫をしたり、初来店時に感じた不安を解消してあげることで、リピート率は割と簡単に改善します。

リピート率が上がれば、その後固定客としてお店に定着してくれる確率も高まります。
その結果、顧客一人当たりの累計利益も増えることになるのです。

人口減少や競争の激化は、これからますます激しくなります。
長く安定して事業を続けるためにも、顧客生涯価値を高める仕組み作りに取り組んでくださいね!




記事一覧・・・

 

Page Top