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第19回 WEBに負けないお店のあり方 -インターネット全盛時代における存在価値-


2024年07月05日

投稿者:田中 直人

はじめに、中小企業庁発表の商店街実態調査報告書によると、お店が減った商店街は増えた商店街の凡そ3倍になっております。
商店街にあるお店の経営状態がとても厳しくなっております。
その中でお店のあり方はどうあるべきかを考えたいと思います。
今までの商店街の中のお店は、商店街という立地条件の下で、人通りに恵まれた環境の中でビジネスを行ってきました。
ところが、インターネットの普及により、消費者はWEBを使ってお店に行かずに商品を買うことが出来るようになりました。
お店より安く買える場合もあるし、わざわざお店まで足を運ぶ必要もありません。
その中で、いかにしてお店を繁栄させていくか!
いかに売上を伸ばしていくか!
そのことについて、考えていこうと思います。

1.レディースショップの話

私は前職がアパレルメーカーの営業でしたので、山口県から沖縄県まで津々浦々、車で営業して色々なところを走り回っておりました。
私が会社を辞める際に、福岡市早良区西新の取引先であるブティックにご挨拶に伺うと、そのお店のオーナーが大事そうに接客をされていました。
オーナーの接客が終わって、「今のお客様はVIPでしょう!」と伺いましたら、「そうなのよ。年間600万円買って下さるのよ。」と話されました。
10坪位の小さなお店です。凄いと思われませんか?
品揃えはまあまあの高級品を取り扱っているお店です。
なぜその小さなお店でそんなに買われていたのか?
そのお店の品揃え・コーディネートを含めたオーナーの接客をお客様は気に入っていたからなんです。
つまりはそのお店のオーナーの販売力なんです。もちろん、店舗ですので立地は非常に重要です。
しかしながら、立地条件が良くても売上不振の店舗は多くあります。

2.創業支援の店舗のお話

私は中小企業診断士になってから、何件も婦人服専門店の創業支援を行いました。

①最初に創業支援を行った福岡県八女市のブティックですが、商店街の近くでもなく、周りには住宅や田んぼが沢山あるところでした。店舗スペースは40坪です。
その場所で、そのショップのオーナーは創業1年目から、年間3,000万円の売上を上げていました。
現在創業15年目を迎えております。粗利益率が40%残る仕組みで創業しましたので、オーナーもとても喜んでいました。
ではなぜ、3,000万円の売上が出来たのでしょう?
もともと、そのお店のオーナーは近くのゆめタウンの中で、チェーンストアーの店長をされていました。
そのチェーンストアーのお客様がみんなブティックに来てくれたのです。
チェーンストアーの品揃えは安い商品も取り扱っていたのですが、創業したお店はいわゆる高級婦人服専門店の品揃えです。
お客様の事をキチンと把握して、お客様に対応しているからなんです。それは先ほどの西新の店舗と同じで、そのオーナーのコーディネートを含めた接客力の強さなんです。

②2件目
北九州市八幡西区黒崎にある婦人服専門店です。
店舗スペースは35坪です。
元々違う方が経営されていましたが、今のオーナーがお店の造作を買い取られて創業されました。
創業14年です。年商2,500万円の売上をたたいています。

③3件目
糸島市前原駅前にある婦人服専門店です。
元々は違う方が経営されていたのですが、ご高齢になられて、オーナーがお店を引き継いで経営されています。
丁度コロナ禍の2020年5月にオープンされましたが、現在もしっかり経営されています。
店舗スペースは25坪です。

④4件目
大牟田市郊外にある婦人服専門店です。
1~2階を合わせると100坪の大きなお店です。
1階が通常の営業スペースです。
2階はイベントスペースとして活用されています。
キャリアからミセスまでの商品を展開されています。

⑤5件目
昨年8月にオープンされたお店です。
オーナーは現在65歳です。
元々違うお店を業務委託で経営されていたのですが、メーカーの商品がお客様に合わなくなって、ご自身で創業されました。
店舗スペースは30坪です。
この1~5までの事例は全て婦人服専門店です。
そして、全ての店舗が商業施設に入っていないことです!
どの店舗もオーナーの接客力が素晴らしいことです。
オーナーのお話、洋服のコーディネートが素晴らしいので、わざわざそのお店まで足を運んで下さるお客様が沢山おられるので、経営が成り立っているんです!

3.WEBに負けない為に何をするべきか

お客様に喜んでもらうこと。当たり前ですよね。しかし、そのことを行っているお店は少ないと私は感じています。
1,顧客情報を収集する。
2,顧客管理を行う。
3,顧客情報を活用する。
4,顧客満足度を向上させる。
お客様と親しくなる → お客様が笑顔になる
あなたの事を知ってますよ~!これが一番大事です

4.WEBでは出来ないこと
接客力お客様が望むことを察知出来ること。
お客様の背景を知って提案出来ること。
お客様がそのお店のファンになること。
以前サラリーマン時代に仕事でよく宮崎に行っており、その際にいつも宿泊するホテルがありました。
そこのフロントの女性が素晴らしくて、チェックインの際に「田中様お帰りなさい。」って声をかけてくれるんです。
そこ以外には泊まりませんよね。

終わりに
お店ですので、立地はとても重要です。
それと同時に接客力が重要です!
あなたの事を知ってますよ
あなたに一番良いことを提案できますよ

お店とは関係ないホテルのお話をしましたが、お客様が喜ぶことをする重要性は同じだと思っております。




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