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第22回 人材育成の考え方について


2024年09月24日

投稿者:豊福 滋信

中小企業診断士の豊福と申します。
お客さまからは、マーケティング販促、採用・人材戦略などの相談を受ける機会が多く、今回は「人材育成」に関するテーマでお話しします。

近年、労働人口の減少に加えて企業の採用意欲が旺盛であり、日本全体で人材不足が顕著になっています。
こうした状況の中、もし自社で働き手が不足している場合は、

○ 新規採用を行う
○ 少人数で事業運営できるようICT等を活用する
○ 既存の従業員の育成を強化して生産性を上げる

といった大きく3つの手段がありますが、この中で既存従業員の育成強化については緊急度が高くないように見えてしまうため、どうしても後回しになりがちです。
しかし、日本全体で人材が不足し新規採用の難易度が年々上がっていること、企業成長の源泉は人材であることを踏まえると、人材育成を将来に向けた必要投資だと捉え、後回しではなく出来るだけ早期に取り組むべきだと思います。

それでは、自社の利益に貢献し活躍してくれる人材をどのように育てていくのか、順を追ってお話しします。

1 目指すべき人材像

始めに、人材育成の前提として、従業員がどのように育ってほしいかを示す「目指すべき人材像」を設定し、従業員全員が共通認識を持つことが重要です。
これができていないと、自社が従業員に期待しているものが曖昧になり、従業員自身も目指す方向性がわからなくなってしまいます。
どのような人材像を設定すべきか悩まれると思いますが、主に以下の3つの視点で検討することをお勧めします。
(自社の理念に沿って他の項目を追加してももちろんOKです。)

① 人間性、コミュニケーション力
② 自発的に学ぶ意欲、姿勢
③ 自社に必要な専門スキル

人材育成というと、会社の利益に直結する業務上の専門スキルばかりに注力しがちですが、従業員が一丸となって成果を発揮するためには、互いに協力しつつ相手を尊重しながら業務を行うことのできる良好な職場環境が求められます。
これをつくる土台になるのが、従業員一人ひとりの「人間性、コミュニケーション力」です。

また、従業員がスキルを伸ばしつつ、業務の改善を行ったり、多様なアイデアを生み出したりするためには、従業員自身が「もっと能力を高めたい」「誰かのために貢献したい」と思い、自発的に努力することが重要です。
細かく指示されるのではなく主体的に行動することは、高いモチベーションにも繋がります。これが「自発的に学ぶ意欲、姿勢」です。
なお、目指すべき人材像を設定する際には、自社の理念を基準に、従業員の声も取り入れながら、従業員から納得が得られる内容に作り上げていくことが重要です。

2 人材育成の取組み

次に、「目指すべき人材像」に沿った具体的な取組みに移ります。
例えば「人間性、コミュニケーション力」の視点では、職場で日々の挨拶や会話のやり取りを習慣付ける、従業員同士のコミュニケーションの場・時間を意図的に設ける、といった施策が挙げられます。

「自発的に学ぶ意欲、姿勢」の視点では、まずは従業員に手本を見せ、やらせてみる、その後は信頼して任せる、といったOJTのプロセスを徹底することや、チーム単位で業務の改善事項を検討してもらう場を設けることなどが挙げられます。
従業員本人に、仕事の先にある目標や夢を考えさせ、現在の業務が将来に向けた自己成長に繋がっていることを認識させることも効果的です。

今回は取組み例の一部をピックアップしてご紹介しましたが、自社の理念や従業員の状況にマッチする施策を進めていくことが大切です。
また、従業員全体に向けた施策を展開しつつも、従業員一人ひとりと対話しながら、それぞれの個性・長所を見極めて「目指すべき人材像」とのギャップを少しずつ埋めていく丁寧な育成が必要となります。

人事評価や昇進制度などの見直しも含め、どのように人材育成を進めればよいのか迷った際には経営支援ネットワークが相談に乗りますので、お気軽にご連絡ください!




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