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第36回 マーケティング戦略とWEBに負けないお店のあり方(街を活かしていきましょう!)


2025年09月12日

投稿者:田中 直人

現在、我が国の商店街はどこの街を見ても、衰退しているのが現状です。
前回もお話ししましたが、令和3年度中小企業庁発表の商店街実態報告書のよると、お店が減った商店街は、増えた商店街のおよそ3倍になっております。
ショッピングモールやWEBサイトの進展で、どこの商店街のお店も非常に厳しい状況になっております。

私は福岡市の中央区春吉で生まれ育ってきました。
国体道路沿いで道の向こうは西中洲で、右側に少し歩くと那珂川で、橋を渡ると中洲というある意味非常に恵まれた環境で育ちました。
その当時は、その場所にも果物屋さんや、畳屋さん、野菜屋さん、蕎麦屋さん、研屋さんなど多くのお店がありました。
現在は飲食店だらけになっており、昼間は人が歩いて買い物なんかをする場所ではなくなっています。
商店街をそんな場所にはしたくないと思っております。

少しマーケティングのお話をいたします


みなさんはマーケティングというと難しいと思われるかもしれませんが、実はマーケティングとは価値あるものを届ける為の仕組みのことを言います。
ビジネスとはお客様に価値を届け、継続してお届けすることであると考えます。
お店であれば、何度でも足を運んでくださるお客様をいかにして作り、維持していくであると考えます。
現在はショッピングモールやWEBの進展により、商店街に足を運ばなくても商品を買える時代になっております。
その環境の中で、お店の役割を考えていこうと思います。

商売の原点


あるところからないところへもって行く。
江戸時代の三井呉服店(今の三越です)、江戸に当時の都であった京都から幕府の中心地江戸にないものをもって行き、販売していました。
今は少なくなっていますが、みなさんご存知の西新商店街にリヤカー部隊がありましたよね。
もともとは西区や東区の農村地域から、買い物客が多い西新商店街に新鮮な野菜を運んで販売していました。
それから、マーケティングの話でよく出てくるのが、アフリカの靴の話です。
昔ある人は、アフリカの土民は靴を履いていないから、靴は売れないと本社に報告しました。
しかし、ある人は今は靴を履いていないけど、これからは大きな市場になる可能性があると考えました。

みなさんはどう思われますか?
短期的には、靴の需要がないので売れませんよね。
しかし、長期的には、靴の便利さが理解されたら、とても大きな市場となる可能性がありますよね。

もう一つ、これは私の経験ですが、以前アパレル時代に熊本の有名百貨店の社長さんのお父様が亡くなられて、葬儀の為熊本に伺って、帰りにタクシーをひろおうとしたら、直ぐにタクシーが来てくれて、運転手さんに「直ぐひろえて助かりました~。」と話しかけたら、その運転手さんは毎日、新聞で葬儀の情報を収集して、葬儀場へ行ってたわけです。
とても素晴らしいと思いませんか。
自分の売上も上がるし、お客様も喜んでくれる訳ですよね。
実はその話を他のタクシーの運転手さんに話をしたら、「俺は人の葬式ば商売のネタにはせん!」とおっしゃいました。
どちらの人の売上が多いと思いますか?
どちらの人がお客様に喜ばれると思いますか?
お客様に喜んでいただけることが重要であると考えます。

みなさん日本酒の「獺祭」という銘柄をご存知でしょうか?とても美味しい日本酒です。
このお酒は山口県岩国市の山の中にある「旭酒造」という会社の製品です。
私は一度訪問したのですが、本当に山の中に会社がありました。
味には自信があったのですが、その当時の酒販店には独自の卸ルートがあって、大手酒販メーカーに多くの棚が割り振られていて、有力な酒販店ではなかなか旭酒造さんの「獺祭」を取り扱っていただけなかったそうです。

社長はこのままでは会社が潰れると思ったそうです。
社長が行った販売促進戦略が素晴らしいんです。
酒販店が取り扱ってくれないのならば、美味しい料理を出すところに置いてもらおうと東京の美味しい料理店にこの「獺祭」を持ち込み、料理人に飲んでもらい、その料理店に置いてもらうことに成功したんです。
とても面白い発想ですよね。そして、その料理店のお客様がこの酒はどこで買えるの?と言われてどんどん認知度が高まって色々な料理店や酒販店で取り扱っていただけるようになっていったそうです。
今では酒販店への卸売には色々な制約をつけて卸しているそうです。
どこでもは卸していないそうです。

現在はWEBの進展で、お店に行かなくても商品が購入出来る時代になっております。
一つ酷いお話をいたします。
私が筑豊のあるお店に伺ったところ、そのお店のオーナーがとっても困った顔で実は先日「このスカートを試着させて下さい。」って初めてのお客様が入ってきて、試着室の中でWEBで買っていたそうです。
「その場合どうしたらいいですか?」って言われましたので、「そのお客様は絶対に貴方のお店のお客様にはなりませんから、お断りしてください。」ってお話しました。
酷いお話ですよね!お店の試着室でWEBで購入するなんて、考えられません!

WEBに負けない為に何をするべきか


お客様に喜んでもらうこと。当たり前ですよね。しかし、そのことを行っているお店は少ないと私は感じています。
1. 顧客情報を収集する
2. 顧客管理を行う
3. 顧客情報を活用する
4. 顧客満足度を向上させる
お客様と親しくなる→お客様が笑顔になる。
あなたの事を知ってますよ~!これが一番大事です。

WEBでは出来ないこと


接客力お客様が望むことを察知出来ること。
お客様の背景を知って提案出来ること。
お客様がそのお店のファンになること。

お店ですので、もちろん品揃えと立地はとても重要です。
それと同時に接客力が重要です!
あなたの事を知ってますよ。
あなたに一番良いことを提案できますよ。
お客様に喜んでもらいましょう!
そして、街を活かしていきましょう!




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