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第38回 電子帳簿保存法をきっかけに考えるDX
2026年01月26日
投稿者:野上 育彦
新年の業務見直し
電子帳簿保存法をきっかけに考えるDX
新年を迎え、「業務を見直そう」「最近、やたらと『DX』という言葉を目にするな」と感じている中小企業経営者の方は多いのではないでしょうか。
一方で、「DXと言われても、何から手を付けてよいのか分からない」「高額なIT投資は難しい」といった声も、現場ではよく耳にします。
確定申告と電子帳簿保存法が重なる今こそチャンス
さらにこの時期は、確定申告や決算準備が本格化し、電子帳簿保存法への対応も気になるタイミングです。
実は、この
新年+確定申告+電子帳簿保存法
という状況こそが、無理なくデジタル化・DXに取り組む絶好の機会ではないかと考えています。
DXとは何か
経済産業省はDX(デジタルトランスフォーメーション)を、次のように定義しています。
企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること。
そして、その実現には次の3段階があるとされています。
デジタイゼーション(アナログデータのデジタル化)
デジタライゼーション(プロセス見直しによるデータの有効活用)
デジタルトランスフォーメーション
DXという言葉から、AIや大規模なシステム刷新、高額な投資を想像してしまう方も少なくありません。
しかし、多くの中小企業にとってのDXの第一歩は、日々の業務をデータ前提で整理し直すことではないでしょうか。
DXの入口は会計・経理業務
その入口として、最も現実的なのが会計・経理業務です。
なぜなら、すべての経営活動の結果が、最終的に数字として集約されるのが会計だからです。
電子帳簿保存法を前向きに捉える
電子帳簿保存法、とくに電子取引データの保存義務は、対応しなければならないルールです。
しかし視点を変えると、これは紙中心の業務から、データ中心の業務へ切り替えるための一つのきっかけとも言えます。
例えば、メールで受け取った請求書PDF
クラウドサービス上の請求データ
ECサイトの利用明細
これらを「とりあえず印刷」するのではなく、電子データとして整理・保存する。
この対応だけでも、デジタル化への確かな一歩と言えるのではないでしょうか。
実際に取り組んで感じたこと
私自身も、クラウド会計ソフトを利用し、金融機関との連携による明細データの自動取得や、撮影した領収書からの自動取込仕訳機能などは活用していました。
一方で、電子帳簿保存法への対応については中途半端な状態が続いていました。
そこで、次のことから改めて取り組みを進めています。
請求書や領収書は電子保存を基本とする
ファイル名を日付・取引先・金額で統一する
当然の対応に思われるかもしれませんが、小規模な企業ほど、実行できていないケースも少なくないと感じています。
デジタル化がもたらす変化
日々の業務では紙が増えていく一方ですが、少しずつ紙を減らしデジタル化を進めることで、物理的にも心理的にもすっきりした感覚を得られます。
データをデジタル化できれば、加工や分析がしやすくなりますし、どのような資料が欲しいかを起点に業務プロセスを見直すことも可能になります。
目指すところは競争優位性の確立ですが、まずは一歩踏み出せたという感覚があります。
まずはここから始めてみる
まずは、電子帳簿保存法への対応状況を確認する
会計データを整理し、見やすくする
この一歩が、確定申告を楽にし、経営判断を速くし、DXにつながる最も現実的なスタートになると考えています。
私自身も、データ活用への意識が高まり、業務における顧客データの活用にも効果が表れ始めています。
DXは手段であり、目的ではない
DXは目的ではなく、経営を良くするための手段です。
パソコンやインターネットが普及したように、AIの活用も今後急速に広がっていくと考えられます。
「食わず嫌い」で終わらせず、できることから少しずつ、新しい取り組みにチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
電子帳簿保存法を「負担」で終わらせず、今年の経営を変えるきっかけとして、ぜひ活かしていただければと思います。